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曖昧
               松本麦  
 バクは最近、スコッチのシングルモルトウイキーに凝っている。
スコッチウイスキーはモルトウイスキー、グレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーがある。
モルトウイスキーは大麦麦芽だけを原料とするウイスキー。一般的に単式蒸留機で二回蒸留し、ホワイトオークの樽で熟成させる。 
グレーンウイスキーはトウモロシなどの穀物(80%以上)や小麦などを主な原料とする。連続式蒸留機で蒸留する。
ブレンデッドウイスキーは数十種類のモルトウイスキーと数種類のグレーンウイスキーを混ぜたものでモルトウイスキーの含有量、熟成年度によって等級が決まる。
モルトウイスキーには一つの蒸留所で造られたモルト同士を合わせたシングルモルトウイスキーと複数の蒸留所で造られたモルトウイスキーを合わせたヴァッテドモルト(ピュアモルト)がある。
 モルトウイスキーは大麦麦芽を発酵させればウイスキキーに、ビール酵母を使えばビールになる。乱暴な言い方を許していただけるならば、ビールを蒸留した物がモルトウイスキー?と言えるかもしれない。ビールとモルトウイスキーは親戚かもしれない。
 しかし、同じ蒸留酒でも焼酎に比べてウイスキーは人気がない。それは、いろんなフアクター(要素)があるのだろう。度数が高くてきつくて飲みにくい。値段が高い。焼酎の健康神話、等である。でも、焼酎と同じ蒸留酒であるウイスキーは健康的にはあまり変わらないとバクは思う。我々はテレビのワイドショウなどのキュスターが言うとすぐ信じてしまう。とにかく、バクは現在の焼酎ブームをよしとしない。バクのお臍が相当曲がっているセイかもしれないが、ヤッパリ、ウイスキーでしょう。
 イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの連合国家である。スコトランドで造られたウイスキーをスコッチと言う。昔、バクはロンドンのパブへ行った時に、ここはイギリスだからスコッチを飲まなければと言ったら(モチロン英語で)カウンターのバーテンダーにここはイングランドだと言われた。仲が悪いのかもしれないネ。
ともかく、スコッチの話、スコッチと言えば以前はブレンデッドウイスキーの事だと思っていた。ジョニーウォカー、ホワイトホース等々、バクがシングルモルトウイスキーに出会ったのはマッカラン12年(スペイサイド)であった。酒屋でちょっと高めの価格かなと思ったけれど仕入れた。そして試飲して驚いた。口に含んだ瞬間からフレーバーが爆発して、それが長く続き、それがチョコレイトのような味に変わり、刺すような感覚が舌に感じ、咽に通すとその味が強く戻ってくる。その時はブレンデットなのか、シンクルモルトなのか意識はしていなかった。その次にレディング(ハイランドアイランドモルト、ドバモリーのセカンドブランド)を仕入れて試飲した。口に含んだら、トロとしたコクとビート臭が広がった。この二つの事でシングルモルトウイスキーは凄いと実感した。バクはそれまで、多少のシングルモルトウイスキーの知識を持っていた。そこでシングルモルトウイスキーは禁断の園だと思っていた。訳はある。第一に値段が高くてお客様に安価で提供するのは大変だということだ。第二にスコットランドには百以上の蒸留所があり、一つの蒸留所で複数のレンジを出している。多すぎるということだ。普通シングルモルトウイスキーを分類するのはその蒸留所の場所によって分ける。アイラ、ローランド、キャンベルタウン、ハイランド(スペイサイド、イースト、ウエスト、ミッドランド、ノース、アイランドに分かれる)と言ったぐわいだ。つまり、店に置かなければならないボトルが多くなると言うことになる。しかし、お客様にシングルモルトウイスキーをリクエストする方が存ることと、シングルモルトウイスキーの魅力に取り憑かれたバクは覚悟を決めた。仕入れはバクの努力で出来るだけ安く提供できるようにした。山梨県の方まで仕入れに行くこともある。うっかりするとメーカー希望価格よりも安く設定したボトルもある。とても、お客様から二、三万円なんて請求できないからだ。バクはボトルキープで一万二千円を、ショットで千二百円を超えないようにしている。それでも、高いかなとも思うがしかたがない。そして、上記産地分類の代表的シングルモルトウイスキーを置いている。だから、バクのお店は常時、シンクルモルトウイスキーを百種類以上置いている。
 シングルモルトウイスキーの不思議なことは味である。最初、口の中で爆発して、味が七色に変化して強烈な戻りに感激した事が数回飲んでいるとあまり感じなかったり、一杯目はそれほど美味くないと思っても、二杯目、三杯目には強烈に美味さを感じることもある。また、体調によっても微妙にかわる。日にちよっても変わる。バクの味覚がおかしいのかと思ったがどうも違うようだ。味を分析すると変わらないのだが、美味さの感動というのが、少なくなる。人が感じる味覚というものは案外、贅沢で、飽きぽく、いいかげんなのかもしれない。だから、曖昧と言うのかな。
バクの友達にこんなバカな奴がいる。ある日、浮気が奥さんにバレてそのいい訳「何時も素晴らしく美味いマッカランばっかり飲んでいると、不味くて安い焼酎を飲みたい事があるだろう。それからマッカランを飲むとその素晴らしさが前より増すのだよ。君は僕にとってシングルモルトウイスキーのロールスロイス、マッカランさ。」その瞬間彼の左目に閃光と鋭い痛みがはしり、「私はウイスキーかい。」という奥さんの声が鳴り響いた。彼のブラックアイは一週間消えず、等々、奥さんから離婚された。(決して、バクのことではありません。念の為)貴方もご注意を!
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